
◆政府の教育再生会議が29日まとめた緊急提言は次の通り。
「いじめ問題への緊急提言」
すべての子どもにとって学校は安心、安全で楽しい場所でなければなりません。保護者にとっても、大切な子どもを預ける学校で、子どもの心身が守られ、笑顔で子どもが学校から帰宅することが、何より重要なことです。学校でいじめが起こらないようにすること、いじめが起こった場合に速やかに解消することの第1次的責任は校長、教頭、教員にあります。さらに、各家庭や地域の一人一人が当事者意識を持ち、いじめを解決していく環境を整える責任を負っています。教育再生会議有識者委員一同は、いじめを生む素地をつくらず、いじめを受け、苦しんでいる子どもを救い、さらに、いじめによって子どもが命を絶つという痛ましい事件を何としても食い止めるため、学校のみに任せず、教育委員会の関係者、保護者、地域を含むすべての人々が「社会総がかり」で早急に取り組む必要があると考え、美しい国づくりのために、緊急に以下のことを提言します。
(1)学校は、子どもに対し、いじめは反社会的な行為として絶対許されないことであり、かつ、いじめを見て見ぬふりをする者も加害者であることを徹底して指導する。<学校に、いじめを訴えやすい場所や仕組みを設けるなどの工夫を><徹底的に調査を行い、いじめを絶対に許さない姿勢を学校全体に示す>
(2)学校は、問題を起こす子どもに対して、指導、懲戒の基準を明確にし、毅然とした対応をとる。<例えば、社会奉仕、個別指導、別教室での教育など、規律を確保するため校内で全教員が一致した対応をとる>
(3)教員は、いじめられている子どもには、守ってくれる人、その子を必要としている人が必ずいるとの指導を徹底する。日ごろから、家庭・地域と連携して、子どもを見守り、子どもと触れ合い、子どもに声をかけ、どんな小さなサインも見逃さないようコミュニケーションを図る。いじめ発生時には、子ども、保護者に、学校がとる解決策を伝える。いじめの問題解決に全力で取り組む中、子どもや保護者が希望する場合には、いじめを理由とする転校も制度として認められていることも周知する。
(4)教育委員会は、いじめにかかわったり、いじめを放置・助長した教員に、懲戒処分を適用する。<東京都、神奈川県にならい、全国の教育委員会で検討し、教員の責任を明確に>
(5)学校は、いじめがあった場合、事態に応じ、個々の教員のみに委ねるのではなく、校長、教頭、生徒指導担当教員、養護教諭などでチームを作り、学校として解決に当たる。生徒間での話し合いも実施する。教員もクラス・マネジメントを見直し、一人一人の子どもとの人間関係を築き直す。教育委員会も、いじめ解決のサポートチームを結成し、学校を支援する。教育委員会は、学校をサポートするスキルを高める。
(6)学校は、いじめがあった場合、それを隠すことなく、いじめを受けている当事者のプライバシーや二次被害の防止に配慮しつつ、必ず、学校評議員、学校運営協議会、保護者に報告し、家庭や地域と一体となって、解決に取り組む。学校と保護者との信頼が重要である。また、問題は小さなうち(泣いていたり、寂しそうにしていたり、けんかをしていたりなど)に芽を摘み、悪化するのを未然に防ぐ。<いじめが発生するのは悪い学校ではない。いじめを解決するのがいい学校との認識を徹底する。いじめやクラス・マネジメントへの取り組みを学校評価、教員評価にも盛り込む>
(7)いじめを生まない素地をつくり、いじめの解決を図るには、家庭の責任も重大である。保護者は、子どもにしっかりと向き合わなければならない。日々の生活の中で、ほめる、励ます、しかるなど親としての責任を果たす。おじいちゃんやおばあちゃん、地域の人たちも子どもたちに声をかけ、子どもの表情や変化を見逃さず、気付いた点を学校に知らせるなどサポートを積極的に行う。子供たちには「いじめはいけない」「いじめに負けない」というメッセージを伝えよう。
(8)いじめ問題については、一過性の対応で終わらせず、教育再生会議としてもさらに真剣に取り組むとともに政府が一丸となって取り組む。
(毎日新聞)

したがって、これが社会の状況を正しく表しているとは言えないないのではないでしょうか。
しかし「提言」は「いじめを生む素地をつくらず」といいながら、こうした根本的な原因には一切触れていません。触れていないというより意図的に無視しているのかもしれません。
また、「いじめ対策」を数値目標化して達成を求める成果主義が「いじめ隠し」を生み、問題解決の障害になってきたことにも触れていません。いじめがあった場合に学校や家庭、地域が協力して解決に当たるためにも、この成果競争を改める必要があります。しかし、東京都の品川区に見られるように、小学校の学区を破壊していることを考えれば、いじめをなくすために連携をしていくための地域そのものが無くなっている地域もあります。
一方で「提言」は「厳罰主義」ともいえる内容を含んでいます。いじめた側の子どもに懲戒も含めて「毅然(きぜん)とした対応をとる」とし、例として社会奉仕などをあげています。「見て見ぬふりをする者」も「加害者」として指導するよう求めています。しかし、いじめの構造は、「被害者」と「加害者」そして「周りのもの」が固定しているような単純なものではありません。
いじめた側や周囲の子どもへの指導は当然必要です。しかし実態に応じた丁寧な対応で、子どもたちの人間的な成長につながるようにしなければ問題は解決しないし、子どもをいっそう息苦しい環境に置き、かえって問題をこじらせることになりかねません。
そしてこの提言は、学校現場で日常的に子どもの指導をしている教職員を励ますものになっていません。もし、行政として学校現場を本当に励ます気があるのであれば、学級定員40名という国際的にも以上に大人数の学級を速やかに20名程度の少人数学級にすべきです。教育条件の整備こそ当面必要な政策といえます。
さて、命題1【回答したい人が回答する】【netでのアンケートや調査は偏りが出】る。従って【社会の状況を正しく表しているとは言えない】。
命題2【調査母体が無作為抽出】であれば【社会の状況を正しく表している】。に分けて、考えてみましょう。
まず命題1の【回答したい人が回答する】は 『賛否は別として問題意識のある人』が回答したと考えるのが自然です。無関心な人はわざわざ回答しません。従って、無関心層の除外という「偏り」はあるものの、『社会の傾向をある程度反映している』と考えられます。勿論『必ずしも【社会の状況を正しく表しているとは言えない】』事を念頭に置くべきなのは言うまでもありません。
次に、命題2についても問題があります。最近よく使われるRDDも電話に出なければ母数から外されます。主催者側がどういう時間帯に調査するかによってある程度結果を操作できます。更に設問自体が、世論誘導型なのが普通です。本記事アンケートも「評価できる」「評価できない」の2択の様ですが、『知識があり悪法だと評価する』人や『予備知識が不足して自分では評価できない』人がどちらに入れたか疑問があります。
というわけで、アンケート・世論調査などはネットに限らず「信じる/信じない」の2極思考に陥らないようにしなければなりません